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山田 進; 今村 俊幸*; 叶野 琢磨; 町田 昌彦
Proceedings of International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (SC '06) (CD-ROM), 12 Pages, 2006/11
量子多体系の物性は、そのモデルのエネルギーを表現するハミルトニアン行列の固有状態を計算することで知ることができるが、この行列の大きさは物理モデルサイズ(粒子数など)の増加に伴って急速に増加する。そこで本研究では、世界最大級の計算機である地球シミュレータを利用した場合、どれだけ大きいサイズの量子多体系が扱えるか、そして、どれくらいの速度でそれらが計算できるか(どれだけ高速化できるか)を調べることとした。その結果、地球シミュレータの4992プロセッサを利用した計算において、1200億次元のハミルトニアン行列の基底状態を45秒、40万次元の行列の全固有状態を12000秒で計算することに成功した。前者の計算速度は24.5TFLOPS(ピーク性能の61%)であり、これは地球シミュレータのアプリケーションとして最高レベルの計算性能である一方、後者の40万次元の行列は、全固有状態を求める計算において標的とした行列としては世界最大の大きさである。